2008年10月26日日曜日

重耳(ちょうじ)

今日も合間に「ちょっと読もうかな」と、書棚から出してしまい…何回読んでも面白い。


春秋期の晋。分家(曲沃)が本家(翼)を滅ぼす上巻。
特に気に入っているのは君主の密命をうけ、王都(周)に留学する士蔿と、それを陰で助ける丕鄭や趙の親子が描かれた部分。


「自分の努力の虚しさを大いに嗤い、また嘆いたあとの姿」

こういう気持ちになった経験と重ね合わせ、共感できるというか。ここは何度読んでも「はぁー」という気分になる。

面白いのは後に戦国七雄と呼ばれる内、三国(魏・趙・韓)の先祖となる人々が曲沃の臣下として登場すること。
先にこれを読んでおくと、同作者の春秋・戦国期を舞台に書かれた作品が面白く読める。「重耳」からの派生作品は幾つもあり、中でも「沙中の回廊」と「孟夏の太陽」は傑作! 同様に戦国期については「孟嘗君」「楽毅」「奇貨居くべし」と三部作の様で、続けて読むとそれぞれを単体で読むよりも楽しいと思う。

何だかこの作者の本ばかり読んでいる。他のを読むとすぐこのシリーズを読んで、また別のを読んで…の繰り返し。
 

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